プログラマの三大美徳
ラリー・ウォール( Larry Wall )によれば、プログラマの三大美徳とは次の通りなのだそうだ。思わず頷いてしまうし、これはプログラマに限らず、システマ全体にも当てはまると思う。
 ・怠惰(Laziness)
 ・短気(Impatience)
 ・傲慢(Hubris)
Wiki には「プログラマに必要とされる効率や再利用性の重視、処理速度の追求、品質にかける自尊心をなぞらえたもの」との記載がある。
『怠惰』は、メンタルヘルスの問題というよりかは習慣性の問題。そして美徳とは怠けられる、怠け者に適性があるということではないだろう。楽をしたいという欲求を高く持っているが、後々に・・・だ。そのためには惜しみなく動き、これが習慣化されているということ。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスも習慣化の重要性を説いた人として有名。
『短気』は、忍耐力がなく、些細なことでも直ぐに怒るなど、気性が激しい様を示すが、些細なことでも許さず、自己満浸れるまでは突き詰める性格を表しているのだろう。
『傲慢』と言うと、他人を見下すとか自身を絶対的なものとする自己過信であるとか、殆ど良い意味がないが、美徳として示された傲慢とは、自分自身を信頼、期待し、意見を出せるポジティブな人を指しているのだと思う。
学生症候群
納期のある作業を行う際に、余裕時間があればあるほど、実際に作業を開始する時期を遅らせてしまうという、多くの人間に見られる心理的行動特性のこと。
人間は、やるべき仕事に時間的な余裕を感じると、「後でやっても間に合う」と考えてしまい、すぐに着手しないことがよくある。
TOC(Theory of Constraints)の提唱者であるエリヤフ・ゴールドラット(Dr. Eliyahu M. Goldratt)は著書『Critical Chain』の中で、これが余裕時間(セーフティ)があるにもかかわらずプロジェクトが遅れる要因の1つだと指摘した。
学生症候群という名は、同書でこのような着手の先延ばし現象を「期間が足りないと主張して提出期限を延ばしてもらったのに、すぐには宿題を始めない学生」になぞらえて説明したことに由来する。
学生症候群が発生すると、計画上は余裕時間が十分に取られていても、実際の作業は余裕のない状態で行うことになるので、何らかの突発事態が発生した場合、納期遅延に直結する。
また、余裕時間を十分に取ったスケジュールでは、納期確度(納期が守られる確率)も高く見積もられていることが一般的であるため、後工程でも遅れを想定していないことも多く、プロジェクト全体に甚大な被害を与えることになりがちである。
マーフィーの法則
マーフィーの法則(Murphy's law)とは、「失敗する余地があるなら、失敗する」、「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」をはじめとする、先達の経験から生じた数々のユーモラスでしかも哀愁に富む経験則をまとめたものである(それが事実かどうかは別)。
多くはユーモアの類で笑えるものであるが、認知バイアスのサンプルとして捉えることが可能なものもあり、中には重要な教訓を含むものもある。
マーフィーの法則とは、"If anything can go wrong, it will."(「失敗する可能性のあるものは、失敗する。」)に代表される「経験則」や、「法則」の形式で表明したユーモアである。

「マーフィーの法則」の様々な表現
英語版によると、"If it can happen, it will happen." 「起こる可能性のあることは、いつか実際に起こる。」が基本精神であって、その基本的表現は "Anything that can go wrong will go wrong." 「うまく行かなくなり得るものは何でも、うまく行かなくなる。」、 "Everything that can possibly go wrong will go wrong." 「何事であれ失敗する可能性のあるものは、いずれ失敗する。」
である。

歴史的には後述のように、"If that guy has any way of making a mistake, he will." 「何か失敗に至る方法があれば、あいつはそれをやっちまう。」があり、更にパワーアップした "If there's more than one way to do a job, and one of those ways will result in disaster, then somebody will do it that way." 「作業の手順が複数個あって、その内破局に至るものがあるなら、誰かがそれを実行する。」に変化した。
日常生活でも "It will start raining as soon as I start washing my car, except when I wash the car for the purpose of causing rain." 「洗車しはじめると雨が降る。雨が降って欲しくて洗車する場合を除いて。」が知られている。

「落としたトースト」の法則
落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する。
ユーモアに溢れていて、マーフィーの法則の中でも特に秀逸な「法則」としてしばしば引用されるものである。(これをあまり真面目に分析する必要は無いというのに)アストン大学のロバート・マシューズは「トーストの転落 マーフィーの法則と基本的定数」という論文を発表した。
彼はその論文の中で通常のテーブルを使用した時ほとんどの場合にバターを塗った面が下になることを証明し、バターを塗った面を上にして着地させるためには高さ3メートル以上のテーブルを使うべきだという結論を出した。
マシューズはこの功績により1996年にイグノーベル賞を受賞した。(無論、真面目に論ずる必要は全く無いが、あえて言えば)バター面が下になる確率が何に比例するのかというと、「カーペットの値段」ではなく、テーブルの高さ(や手からの滑り落ち方)ということになりはする。
パーキンソンの法則
パーキンソンの法則(Parkinson’s law)は、1958年、英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソン(英語版)の著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』、およびその中で提唱された法則である。
『役人の数は、仕事の量とは無関係に増え続ける』というもので、具体的には次の2つからなる。
  第1法則  仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。
  第2法則  支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。

第1法則
パーキンソンの法則は、英国の官僚制を幅広く観察した結果に基づくもので、たとえば、イギリス帝国が縮小していたにもかかわらず殖民地省の職員数は増加していたとパーキンソンは指摘している。
パーキンソンによれば、このような結果は、役人はライバルではなく部下が増えることを望む、役人は相互に仕事を作りあう、という2つの要因によってもたらされる。
また、パーキンソンは、官僚制内部の総職員数は、なすべき仕事の量の増減に関係なく、毎年5~7%増加したとも指摘している。

【 コンピュータへの応用 】
パーキンソンの法則には、コンピュータに関するバリエーションもあり、それは「データ量は与えられた記憶装置のスペースを満たすまで膨張する」というものである。
システムに組み込まれるメモリー容量の増加は、より多くのメモリーを必要とする技術の発展を促すのである。過去10年間の傾向として、システムのメモリー使用量はおおむね18ヶ月ごとに倍増している(ムーアの法則)。
幸いなことに単価当りのメモリー量も12ヶ月ごとに倍増してきたが、この傾向には物理的な限界があり、永遠に続くことはない。
パーキンソンの法則は、より一般的に、「ある資源に対する需要は、その資源が入手可能な量まで膨張する」という形で述べることもできる。わかりやすい例を挙げれば、「どんなに大きな冷蔵庫を買っても、必ず満杯になる」。

【 パーキンソンの凡俗法則 】
『パーキンソンの法則』で提唱された法則には、(第1・第2法則とは内容の関連が低い)「組織はどうでもいい物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」というものもあるが、こちらは区別してパーキンソンの凡俗法則と呼ばれる。
この法則は、シリル・ノースコート・パーキンソンによる、経営の風刺書『パーキンソンの法則』の中で出されたものである。パーキンソンはこの法則を説明するたとえ話として、委員会が原子力発電所と自転車置き場の建設について審議する様子を比較している。
原子炉の建設計画は、あまりにも巨大な費用が必要で、あまりにも複雑であるため一般人には理解できない。
このため一般人は、話し合っている人々は理解しているのだろうと思いこみ口を挟まない。
強固な意見を持っている人が、情報が不十分だと思われないように一般人を押さえ込むことすらある。このため審議は「粛々と」進むことになる。
この一方で、自転車置き場について話し合うときは、屋根の素材をアルミ製にするかアスベスト製にするかトタン製にするかなどの些細な話題の議論が中心となり、そもそも自転車置き場を作ること自体が良いアイデアなのかといった本質的な議論は起こらない。
次に委員会の議題がコーヒーの購入といったより身近なものになった場合は、その議論はさらに白熱し、時間を最も無駄に消費する。
自転車置き場については誰もが理解している(もしくは理解していると考えている)ため、自転車置き場の設置については終わりのない議論が生じることになる。関係者の誰もが自分のアイデアを加えることによって自分の存在を誇示したがるのである。
Back to Top